2階に上がると床は板張りだった。随分傷んでいて、乗ってはいけないという所がたくさんあった。床を支える根太として使っているアングル(L型の鋼)も真っ赤に錆び付いていた。 2階から上は危険だという理由で案内してもらえなかったが、今後の計画の一部を教えてくれた。これから川に向けて桟橋を作り、船も手に入れるのだという。「対岸に渡れるようにするんだ」「出来たら乗せてやるよ」そんな話をすると、彼は自転車の所に戻り買い物に出かけて行った。 こんなふうに僕達はこの建物に、そして三宅栄氏に出会ったのだ。